男性型脱毛症で悩むみなさんのほかにも、熱傷などの外傷で髪の毛を失ってしまった方や、ほかの病気による永久脱毛で困っている方が大勢おられます。新しい治療法が確立したら、まずそういう方々に応用したい、と我々皮膚科の医者は考えているのです。
毛乳頭細胞ではなく、まったく違った方法で研究している機関もあります。阪大でも独自の方法で研究を迎めていますが、残念ながらその詳しい内容はお伝えできません。毛髪の再生研究はサイエンスとしても、またビジネスとしてもひじょうにホットな状況なので、うかつに情報を流すことができないのです。
ひとつだけ最新情報をご紹介すると、イギリスとアメリカの民間研究所がこの分野の研究でしのぎを削っています。すでに臨床試験のフェーズーという段階を過ぎているとのことです。フェーズーというのは、動物実験で良好なデータが得られ、ヒトに適用する最初の段階という意味ですから、安全性についても担保されているのではないかと思われます。
臨床試験に入ったと言っても、そこから再生医療として認可が下りるまでには数年かかるでしょう。とくに日本は認可が遅いので、イギリスやアメリカで認可が下りたとして、それを日本で使えるようになるには、さらに月日が必要です。
しかし、ほんの数年前まで「未来の医療」と言われてきた毛髪の再生医療が、「近未来の医療」と言えるところまでやってきました。もしこれが実現すれば、すでに毛が失われてしまった部分に新しく毛を生みだすことになるわけですから画期的です。
男性型脱毛症で悩むみなさんのほかにも、熱傷などの外傷で髪の毛を失ってしまった方や、ほかの病気による永久脱毛で困っている方が大勢おられます。新しい治療法が確立したら、まずそういう方々に応用したい、と我々皮膚科の医者は考えているのです。
ともあれ、髪の毛の薄さや消失で悩むすべての方々に「光明がある」と言える時代になってきました。