日本人の男性型脱毛症に有効なフィナステリド

では、我が国におけるフィナステリドの臨床試験結果をお知らせしましょう。日本では24歳から50歳で、軽度あるいは中程度の男性型脱毛症の方々を被験者として、頭頂部写真評価が行われました。「著明改善」「中等度改善」「軽度改善」「不変」「軽度進行」「中等度進行」「著明進行」の七段階で評価したのです。

フィナステリド0.2ミリグラムの錠剤を一日一錠、一年間つづけて飲んだグループでは54%、1ミリグラム錠剤での同じ試験では58%の方に「改善」が認められました。服用後一年を経ても改善効果は見られず、「不変」だった人の割合は40%、脱け毛が「進行」した人は2%でした。

一方でプラセボを一年間飲みつづけたグループでは、72%が「不変」、22%が「進行」、そして68%の方が「改善」という評価がなされました。

同じ条件で行われたヨーロッパでの臨床試験においても、フィナステリドを飲んだグループでは48%に「髪の毛がやや増加」以上の効果が見られ、プラセボを飲んだグループで同様の効果を得られたのは7%でした。

また、アメリカでの臨床試験では、男性型脱毛症の患者さんにフィナステリド1ミリグラム錠を一日一回、六週間飲んでもらったところ、頭皮のジヒドロテストステロンが64%低下しました。フィナステリドによって、脱毛の原因となるホルモンを減らせたわけです。

以上のことから、フィナステリドの効果は人種に関係なく表れることが分かります。明らかな効果が表れるのは、投与後六ヶ月から一年ほどである点も共通しています。しかしひとつだけ、日本人に特徴的なことが発見されました。

欧米でも日本でも、フィナステリドの臨床試験には一ミリグラム錠と0.2ミリグラム錠が使用されましたが、欧米の被験者にとって0.2ミリグーフム錠の効果はやや低かったのに対し、日本では0・2ミリグラム錠を投与されたグループの効果が、1ミリグラム錠
投与グループとほとんど変わらなかったのです。欧米人に比べて体格が小さいこと、あるいは人種的な違いによるものかもしれません。

フィナステリドは2005年10月に厚生労働省の認可を得て、二ヶ月後の12月、プロペシアの商品名で販売が開始されました。その際、こうい0.2ミリグーフム錠も生産されることになったのは、こうした結果を踏まえてのことです。

その後、国内で一ミリグラム錠投与による三年間の延長試験がなされました。先ほど紹介したように服用を開始して一年後には58%の患者さんに「改善」が認められましたが、これが二年後には68%、3年後には78%と、改善率は年を追うごとに10%ずつアップ。つまり三年間内服継続すると、80%近くの人に「髪の毛がやや増加」する現象が見られたのです。

実際は、飲み始めて一年ぐらいのあいだは発毛数は増えるのですが、その後の発毛数は徐々に減っていきます。ただし、外見上は一年後より二年後、二年後より三年後のほうが「髪が増えた」と見える例が多いことから、発毛数は減っても髪が伸びるスピードが速まる、あるいは毛が太くなる現象が起きていると思われます。

またこの試験では、三年間続けて服用した患者さんの98%は、男性型脱毛症の「進行」が認められなかった、という結果もでています。海外の頭頂写真評価では、一ミリグラム錠の五年間投与で、90%の患者さんに抜け毛を抑える効果、あるいは改善効果が認められました。



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