シーザーも抜け毛で悩んでいた

薄くなった頭髪をカバーするエピソードも、古代からありました。たとえば医学の祖師と言われる古代ギリシャ人ヒポクーフテスは、ハトの糞を用いて抜け毛に悩む患者の治療に当たっていたと伝えられています。

同じく古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、形而上学から政治学、詩学など幅広い領域の著述に励むかたわら、抜けゆく髪の対処法として自らヤギの尿を頭に塗っていた立言われています。これも、この時代から「抜け毛は好ましくない」ととらえられてきたことの証でしょう。

時代が古代ローマに移っても、抜け毛はやはり悩みの種でした。以前、ある講演会で荒俣宏さんとご一緒したところ、荒俣さんは講演のなかで「シーザーが月桂冠を被ったのはハゲを隠すためだった」と話しておられました。

ほんまかいな、と思って調ぺてみたら、シーザーが抜け毛を気にしていたという記述は、いくつかの文献に実際残されていました。

16~17世紀頃になると、ヨーロッパでは王侯貴族や作曲家、裁判官などがガッツを着用するようになりますが、これも単に装飾日的だけでなく、薄毛を隠したいという心情も大いにあったのではないでしょうか。

「髪は女の命」などというフレーズが日本にはありますが、こうして歴史を見ていくと、男たちにとっても、髪は大事な存在であるようです。



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